関西電力の料金プランや評判は?「安くない電気」に解約増加か

新電力の口コミ・評判, 大手電力会社

関西電力(関電)に対して、みなさんはどのような印象を持っていますか?

大きな電力会社なのは間違いないけど、東京電力には敵わないぐらいの規模かな

正解です。東京電力は断トツの国内電力1位で、関西電力は敵ではありません。まぁ、供給する世帯数が全く違うので、比較するのもどうかと思いますが…

でも、関電は日本で2番目に大きな都市に電気を供給しているのだから国内2位なんでしょ

その印象は不正解です。2017年に電力販売量で中部電力に抜かされ、不動の2位だと思われていた関電は3位に転落しました。このニュースを見た時は多くの人が驚いたはずです。

当人たちが焦っているとは思えませんが、今後も新電力に顧客を奪われ続けたらまさかの事態に陥る可能性は十分考えられます。あのシャープや東芝でさえ経営危機になる時代ですからね…。

決してアンチという訳じゃないですが、今回はデメリットを強めにお伝えしていこうと思います。

関電エリアじゃない方は下記ページよりお住まいのエリアにお進みください。

≫各エリアごとの大手電力会社

関電とは?

関電こと関西電力株式会社は、大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県、福井県、三重県、岐阜県を営業エリアにする大手電力会社です。

関西のマンモス企業

関電の資本金は4,893億円にのぼり、持っている資産は約6兆円にもなります。1年間の売上高は約3兆円(連結)で、従業員数は2万人以上います。大手どころかマンモス企業です。

ホームページの情報を載せておくので、どれだけマンモスなのか確認されてください。

所在地 大阪市北区中之島3丁目6番16号
設立 1951年5月1日
資本金 4,893億円
資産総額 6兆8,531億円(連結)
売上高 3兆0,113億円(連結)
従業員数 21,314名
グループ企業 70社

原発を動かしている電力会社

原発を動かしている電力会社出典:関西電力 公式HP

関電の火力発電所は石油、LNG、石炭を燃やして電気をつくっています。関電はそのほかに水力、原子力、太陽光、風力、バイオマスなどで電気をつくっています。

そうなんです、関電は原子力発電所を動かしています。高浜原子力発電所3号機、4号機、大飯原子力発電所3号機の計3つが動いています。いずれも福井県内にあります。

原発を動かすと電気料金はかなり安くなる

と聞きますよね。しかし驚くほどは安くはなっていないのです。

関電の電気料金プラン

関電の電気料金プラン

関電と東京電力の電気料金を比べると、残念ながら圧倒的に東京電力のほうが安いです。120kWhまでは両社ともそれほど差がないのですが、120kWh以上使うと、関電の料金体制はグングン上がっていく印象です。

東京電力は福島第一原発、福島第二原発、柏崎刈羽原発の3つの原発を持っているのですが、現在はすべて停まっています。それでも原発を動かしている関電は、東京電力に完敗しているのです。

両社の料金は以下の通りです。

関電 東京電力
最低料金 327.65円
(最初の15kWhまで)
231.55円
(最初の8kWhまで)
従量料金 ~120kWh 19.76円 19.52円
120kWh~ 26.19円 19.52円
300kWh~ 29.94円 19.52円

関電と東京電力では、地域の差や燃料調達コストの差があるので、このように単純に比べるのはフェアでないかもしれません。

(といっても、その説明で関西の人が納得するとも思えませんが…)

関電と新電力の料金比較

関電から切り替えを検討される方がよく比較対象にする新電力を紹介します。

大阪ガスとの比較

関西の方にはお馴染みの「大阪ガス」も電気を売っていますよね。関電からの切り替え先でよく比較されるので、同等の料金プランを表にまとめてみました。

関電 大阪ガス
最低料金
(15kWhまで)
327.65円 272.43円
従量料金 ~120kWh 19.76円 19.76円
120kWh~ 26.19円 24.54円
300kWh~ 29.94円 28.41円

大阪ガスの方が後だしじゃんけんで有利ではありますが、上記比較を見ているとなかなかの戦略家なのが分かると思います。

最低料金で少しメリットを出し、120kWhまでの従量料金は関電に合わせる。ところが、120kWhを越えた時点で一気に差を広げてお得感を演出しています。最終的には1.53円/1kWhの差をつけてますからね。

大阪ガスより大きな電気代削減のできる新電力はありますが、他は眼中になくあくまで関電を手中に収めたい気持ちがあるのでしょう。

eo電気との比較

関西地方で電気を売っているeo電気は、実は関電の100%子会社が運営しています。そうなんです、関電は親会社である自分たちでも電気を売っていますが、子会社にも電気を売らせているのです。子会社が売っている電気は、関電がつくっている電気です。

そしてeo電気のほうが安く電気を売っているのですから、なんか「ちぐはぐ」している印象を受けます。子会社に安く売らせるなら、自分たちが安く売ればいいのに、って思いませんか。

さて、関電とeo電気の料金を比べると、びっくりするほど違います。以下の通りです。

関電 eo電気
基本料金 327.65円
(15kWhまで)
1,188円
従量料金 ~120kWh 19.76円 17.83円
120kWh~ 26.19円 19.06円
300kWh~ 29.94円 28.44円

基本料金(最低料金)は関電のほうが安いのですが、多くの家庭が使う300kWhまでの単価は断然eo電気のほうが安いのです。

「関電(通常)」と「関電(なっトクでんき)」の比較

次の電気料金の比較は、関電どうしの対決です。

関電の新サービス「なっトクでんき」は、さながら「大阪ガスから客を奪え作戦」といえます。関電が「関電ガス」というガス事業を始め、電気とガスをセットにして売るプランが「なっトクでんき」なのです。

大阪ガスが電気事業を始めて関電から顧客を奪っているので、今度は関電が「関電ガス」を始めて客を取り戻そうというのです。

ただ残念ながら、あまり大きなおトク感がありません。

通常 なっトクでんき
最低料金
(15kWh)
327.65円 272.65円
従量料金 ~120kWh 19.76円 19.75円
120kWh~ 26.19円 24.22円
300kWh~ 29.94円 28.54円

最低料金は月55円しか違いません。120kWhまでの単価はたった0.01円/1kWhしか違いません。0.01円ってたった1銭ですよ。

300kWh以上の単価は1.4円/1kWhの差がありますが、大家族でなければ300kWh以上ってあまり使いませんし…。本気で顧客を取り戻したいならもっと頑張れば良かったのでは?と感じてしまう料金プランです。

関電から顧客の流出が止まらない

関電から顧客の流出が止まらない

日本経済新聞が2017年10月に「関電、値下げ後も顧客流出」という記事を掲載しました。

それによると、高浜原子力発電所を稼働させたことによって燃料コストが下がり、それで関電は2017年8月に電気料金の値下げをしたのですが、顧客離れが食い止められなかったのです。

なんと関電の2017年4~9月の販売電力量は約30年前の水準にまで落ち込んだそうです。しかも2010年からずっと減り続けているのです。関電から逃げが顧客がどこに向かっているかというと、大阪ガスを筆頭に関電より安い電気を買える新電力です。

お客さんが減れば当然利益も減ります。しかも、関電ほどのマンモス企業になると、利益の減り方も「えげつない」金額になります。

2017年4~12月の間の純利益が、前の年の同じ期間と比べて38億円も減ってしまったんです。

関電の口コミ・評判

関電に対する世間の風当たりは相当強いですね。ツイッターで「#関西電力」で検索すると、原発への意見が多数を占めています。

関電への良いつぶやきと悪いつぶやきを公平に掲載しようと思ったのですが、残念ながら投稿数としては圧倒的にネガティブな意見が多いですね。まあ世間の批判にさらされることは、マンモス企業の宿命ですね。

原発への意見が多い

やはり「原発再開」と聞くと、あの惨事を思い出してしまいますよね。

「どさくさ」と表現する方は多いようです。

こちらの方は、単純に反対をしているわけではないようです。コストのことを考えて、原発の議論をしようと提案しているんですね。

顧客対応、営業電話に不満の声

さすがマンモス電力会社だけあって「不満の声」は半端なく投稿されてました。これだけ大きな企業なら仕方ないとの見方もできますが、関電にとっては”一番大事な時期”ではないのでは?

今こそ顧客に最高の質を提供し、電気代だけじゃない安心を与えることが必要だと思う。対応に不満を一度でも抱いてしまうと戻ってきませんからね…。

関東人に「関電」はどう思われてる?

関電は「なんで関東に来たんだろ?」と思っている人が多いはず。それか、関電が関東で電気販売していること自体、知らない人がほとんだと思う。

顧客流出が激しいから他の場所で損益分を回収したいのだろうけど、本末転倒に感じるのは私だけでしょうか?関西を支える電力会社だったら、まずは関西の人たちに喜びを与えるような会社になってほしいですね。

まとめ

関電ほどの企業規模になると、新しい法制度に対応しきれないのでしょうね。新しい時代には、新しい企業のほうが順応力が高いのかもしれません。

しかし、関電は巻き返し策を着々と進めています。競争が起きると消費者としては質の高い電気を安く買うことができるので有難いことです!

最後に、関西エリアでも人気の新電力をまとめた記事もあるので、時間があるなら合わせてご覧ください。